屋根工事の基礎知識
投稿日:2020年4月1日 更新日:2023年9月30日
知っておきたいお住まいの各部位の名前
屋根の周辺
破風板(はふいた)
破風板は切妻屋根など屋根を正面から見たときに三角形になる形状の屋根に取り付けられている板のことです。三角形になるところをケラバ、妻側とも呼びます。屋根の形状によって切り妻破風、入母屋破風、唐破風と呼び分けられることもあります。
ケラバ
ケラバは部材名ではなく、屋根の場所を示す用語です。(画像では白い部分とその上方)。ケラバには破風板が取り付けてあります。
鼻隠し(はなかくし)
屋根側面の水平に延びるところに取り付けられている部材を鼻隠しと呼びます。素材は破風板と同じものが使われており、鼻隠しも含めて破風板と統一して呼ばれることもあります。鼻隠しがある場所を軒先と呼び、ここには軒樋が取り付けてあります。破風と混同しやすいですが、雨樋がついているほうを鼻隠しと覚えるとよいでしょう。
屋根の上
大棟(おおむね)
屋根の一番高い頂点を大棟と呼びます。大棟には棟木があり、このことから棟と呼ばれております。棟には屋根面の接合部を覆うために棟板金や棟瓦があります。接合部をそのまま露出されていると水が中に入ってしまうため、これらの部材は雨水の侵入を防ぐ大事な役割を担っています。
隅棟(すみむね)/下り棟(くだりむね)
寄棟屋根や入母屋屋根は大棟の他に隅棟(すみむね)があり、ここは傾斜する屋根面の接合部を指します。屋根の高いところ下がるため下り棟とも呼ばれています。
棟板金についてはこちらの「棟板金の補修は大切!築7~10年で起こる「釘の抜け」について解説」もご参考にしてください。
雨どいの各部分
雨どい
屋根から流れる雨水を受けて排水するための設備です。雨どいは総称であり、一つ一つの部材にはそれぞれ名称があります。
軒樋(のきどい)
軒先にある雨どいを軒樋と呼びます。鼻隠しを下地にして水平方向に取り付けてあります。 軒樋は集水器と接合しており、そこに水が流れるように勾配(傾斜)がつけられています。
竪樋(たてどい)
軒樋から流れてくる雨水は集水器を通り縦樋へと流されます。縦樋は流れてきた雨水を雨水管に排水するためのもの。外壁に沿って縦方向に取り付けてあります。
集水器 (しゅうすいき)/上合(じょうごう)
軒樋と竪樋をつなぐ箱状の部材です。軒樋から流れてくる雨水は集水器を通り、竪樋へと流されていきます。(画像の囲みの部分)集水器は上合とも呼ばれており、装飾の目的もあるため、様々なデザインがあります。
這樋(はいどい)
下屋(1階屋根)の上に這わせてある雨樋を這樋と呼びます。竪樋が下屋を通る場合は這樋を設けて下屋の軒樋に流せるようにします。這樋は竪樋と同じ部材を使用しております。風であおられないように番線などで縛っておきます。
雨どいについてはこちらの「雨どいの重要性!修理や交換が必要なケースとは?」もご参考にしてください。
窓や外壁部分
幕板(まくいた)
外壁の装飾材の一つでして、アクセントとなるように外壁の境に取り付けられることが多い部材です。異なる柄の外壁材を使用するときによく用いられます。外壁の接合部を隠す際にも使用されており、ベースカラーとアソートカラーを仕切るアクセントカラーとして外観を彩ることができます。
雨戸(あまど)
窓に設けられている建具。主に防犯や防風、防雨、遮光、防音、目隠しなどの役割を持ちます。現在ではシャッターがその役割を担うことが多くなりました。雨戸は掃き出し窓(出入りをできる窓)や1階の腰窓に設置され、縦すべり窓などの小さな窓には設けていません。
戸袋(とぶくろ)
戸袋は雨戸を収納する箱状の部材です。戸袋がなく、雨戸を納めるためにレールだけ設けているものもあります。
庇(ひさし)/霧よけ(きりよけ)
外壁から張り出している小さな屋根のことです。庇は遮光や雨除けなどの役割があります。現在の庇は既製品もあり、現代のデザインに合わせてアルミ素材を使用したスタイリッシュな庇もあります。近年では庇を設けないお家も多いです。
まとめ 全部覚えてなくても大丈夫です(笑)
本当はこの何倍も呼び名があったりして、キリがありませんので・・・。
ただ、家の外装はこれだけのパーツで構成されており、雨漏りなどなにか問題が発生した時に部材名を把握しておくと業者からの説明も理解がしやすいかと思います。もちろんお客様が分かるようにきちんと説明するのが業者側の役割です。当社はお客様が状況や工事内容をちゃんと把握できるように丁寧にご説明させていただきますのでご安心ください。もし、分からないことやご不明な点があれば遠慮なくお聞きください!
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